よこすかキャリア教育推進事業
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昔の大人は寛大でユニーク

私の、実家がある山梨から単身赴任で横須賀に来ています。縁あって、弊社で太陽光発電の設計をしています。祖父も父も同じ建設業界で、私も疑うことなく設計士になりました。
 振り返ると、お世辞にもいい子で学生時代を過ごしたとは言えませんが、昔は大人が寛大でユニークでした。悪さをして、先生から平手打ちを食らったこともありますが、ただ叱るだけじゃなく、愛情も感じられた。それなりにコミュニケーションはあったし、他人の子も平気で叱る。数十年で、人も社会もすっかり変わってしまいました。自分はいい時代に育ったと思います。

実生活と夢の直結

 MTTは、立派な人生と言えるほどではない私が、子ども達に教えられることがあるかと思いましたが、弊社社長が、一生懸命取り組もうとしていることに応えて参加しています。孫より若い子たちと話す機会は滅多になく、50歳以上の年の差に、相当な世代間ギャップを感じます。
 私は中学生に仕事の話しより「どうやって生きるか」ということの方がいいと思って話しています。彼らなりによく話しを聞いてくれているし、私の仕事に興味を持っている子が質問をくれることもあります。
 夢をもっている子はたくさんいます。ある学校で「夢は小説家」という子がいたので、叶えるために何かしているか尋ねると「何もしていない」との返事が返ってきました。小説家を目指すならたくさんの本を読むとか、何か書いてみるとかしていると思ったけれど、実生活との思いが直結していないのが、中学生の現状だとわかりました。

子どもに嘘をつかない

 私が子どもの頃、模型が好きで模型屋さんに通っていました。仲良くなった店主が、ある日私に、次のテストの点が上がったら模型をくれると言いました。俄然やる気になって見事クリアすると、約束どおりに汽車の模型をくれました。子ども心に言葉にできないくらいうれしかったことを覚えています。
 この体験を通して大人になった自分が感じたのは、大人は子どもに嘘をつかないことだと思います。子どもに対してどんな大人であるかが、大切だと思っています。
 MTTをやっていて感じているのは、言葉だけのやり取りは、注意が必要だということです。相手がどのように受け取るかはわからない。人の人生を変えてしまう怖さも持ち合わせているので、出来れば良い方に捉えてもらえる発言を心掛けたいと思っています。

大人が間違っていたら主張して

20代の頃、お世話になった先輩(当時60代)にお礼がしたくて、挨拶に行ったとき「礼なんて言いに来なくてもいい」と言われました。「ありがたいと思うなら、それを次の世代に同じことをすればいいんだよ」と。当時の私は、どう理解すればいいかわかりませんでしたが、今、MTTで大勢の生徒と向き合っている自分は先輩の言う「次の世代につなげる」ということをしているんじゃないかと、参加してその言葉を思い出しました。
 人は千差万別あり、自分たちも振返ってみると、人に言われたとおり動くなんて無かったと思います。間違っていても、自分で経験してみて間違ったと気付いたとき、人は一番成長していると思います。大人が自分の意見を押し付けない姿勢でいなければならないと思っています。
 子ども達の発言にも注意を払い、自分の本心からの意見なのかを聞くようにしています。
 今はネットの世界でいくらでも情報を手にすることが出来ますが、書物にしても意図的に都合よく書き換えられることも多いです。様々な部分に意識をしながら、自分の力で何が本当なのか確かめることも大事でしょう。
 そして、大人が間違っていたら、主張した方がいいと思っています。

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