よこすかキャリア教育推進事業
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マッサージを親が喜んでくれた

私は、実家がリフォーム店を営んでいたので、高校・大学と工業系に進みました。しかし、大学で学んでいる事が、自分の思いとは違う気がして中退しました。その後、人に直接関わる仕事を意識していた就活中に、手にした雑誌から整体師が目に止まりました。
 高校生の頃、学校では水泳部、バレー部、建築研究部と生徒会、部活以外にもボクシングや新聞配達、ファストフード店でのアルバイトなど、体を酷使していたのが原因で、腰痛に悩まされていました。腰痛を何とかしたいと思っていた当時から、小さい頃、親にマッサージをした時に、喜んでもらった嬉しさが重なって、人を癒す事が出来る、整体師を目指すことになりました。
整体師になって横浜の整体院で6年間勤務した後、横須賀市上町で整体院を開業して、現在4年目になります。
当院に来られるお客様の症状で一番多いのが腰痛で、肩こり、頭痛、膝痛と続きます。7:3の割合で女性が多く、年齢層は40代から50代が中心です。最近は学生さんも増えてきています。

自分にしかできない自分の力

MTTプログラムで中学生に、痛みについて質問をすると、ほとんどの子が肩こりや腰痛だと手を挙げます。体は生活習慣で作られています。一日中座って授業を受けている中学生の皆さんに、自分で出来るさまざまな痛みの解消法や癒し、人にしてあげられる手当の方法などを実践しています。
また、メンタルが健やか(うれしい、楽しい、清々しい、気持ちがいい、笑っている)だと、病気にはなりにくいと言われています。そうなるには、心の底から前向きな感情が湧き出るようになる事で、他人には出来ません。自分は、自分にしか変えられないのです。だから、体の健康のために一番は、メンタルを強くする考え方と心を鍛える話も、整体師として子どもたちに伝えています。

物事の根本を探る

MTTは、中学生に分かるように伝える難しさがあり、最初から難しい話になってしまうと、子どもたちの反応が鈍くなってしまいます。そんな時は、反省し、次回はもっと上手く情熱を伝える工夫をしようと考える楽しさもあり、数をこなす毎に段々と上達してきました。子どもたちから、若いエネルギーを貰って、私も元気になります。出会った中学生は、とても純粋です。私が、特に中学生に感じてもらいたい事は、誰かの望む人になるのではなく、自分がなりたい自分になっていってくれたらと思います。
人は赤ちゃんの頃が、一番自然体で、好き嫌いを本能的に感じています。育っていく中で、環境や人に影響を受け、情報が脳を通じて、いろんな解釈になっていきます。時には、自分の考えではなく、人の考えが優先されてしまったりします。頭の整理をしたいときには、物事の根本を探ってみて欲しいと思います。私が整体の治療で一番大切にしているのは、この、「根本」を意識するということです。
自分の根本が何かを確かめて、自らの選択を意識していけば、あらゆる場面で活かされていくと思います。

大人がもっと好きな事を...

これから、子どもたちの生き方も変わっていくと思います。企業に勤めるという、選択肢だけではなく人それぞれの選択がもっとあっていいと思いますし、その為にも私は、大人にもっと好きなことをしてもらいたいと思います。仕方なく...と思って続けるより、こうなりたいから、どうしていこうと考え、実行する生き方をしている方が発展的で、能力も伸びていくと思います。何よりも、子どもたちが先輩の背中を見て、「こんな大人になりたい!」、と、もっと生き生きするのではないかと思います。吸収率がいい子どもたちの能力は無限大です。
社会に出る前に、もう一歩、教育の多様化が広がってくれることを願っています。個の塊で出来ている社会は、一人ひとりの違う本質の能力を伸ばす教育であって欲しいです。主体的に行動する時間が教育の中でもっとあれば、個人の本質を伸ばし、将来の道も見つけやすくなると思います。
横須賀の人口が減っているのは、大きな企業の撤退も一つの原因と聞きました。私は、大きな物に頼れなくなった今、横須賀はチャンスだと思います。個の塊で出来ている社会の中で、頑張っている人たちは強い人たちです。そんな人々で作られた街は強い街になれるのではないでしょうか。横須賀の未来はきっと明るい!

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