よこすかキャリア教育推進事業
ホーム  >  よこすか働き人  >  三橋 圭三さん
グローバル×ローカル

私は平成二十五年の四月、学習塾を立ち上げました。学生時代に国際交流ボランティアで知り合った仲間の一人(小林優人)と、久しぶりの再会が転機となりました。お互いの塾講師経験を基に、新しい時代に適した学び場を、一年かけて準備しました。
 塾生の親御さん世代と現在では、子育ての環境も変わっています。子どもたちの勉強も難しくなり、大人も忙しさで余裕がない中、どう勉強を見てあげようかと悩む声も聞かれます。子どもひとり一人の違いや各家庭のニーズに応える提案が出来るように、生徒と講師の関係ではありますが、切磋琢磨しあえる良い関係でありたいと思っています。私たち二人が共に持つ異文化交流の経験を活かし、子どもたちにも世界を広げる可能生を見いだしてもらいたいと思っています。「グローバルに、ローカルに、考え、行動する」人を育てるというのが、当塾のコンセプトです。

成功体験の積み重ね

MTTとしてディスカッションに参加した時は、出会った一人ひとりの生徒に興味を持って接しています。ただ、じっくり関わる時間がないので、なるべく子どもたちに話をさせるような流れを意識しています。引き出しを多く持ち、頭の中が整理出来ていると子どもたちと盛り上がれると思いました。でも実際には思うように行かない事の方が多く、難しいという事に気付かされます。同じ話をしても、その子なりの解釈や受け止め方の違いで答えが一つじゃないこともMTTの発見と面白さです。
グループディスカッションには、小林と二人で参加するので、感想文が届くとお互いに共有します。当日、発言が少なかった子も、感想文では率直な思いが書かれていたりして、安心することもあります。表現にも個性があり、その子なりの魅力を感想文から発見できるのも楽しいです。提案させてもらえるなら、その後にもう一度話せる機会を設けて貰えると、取り組みがより深まると思いました。
 子どもたちの多くが、自分はコミュニケーション能力がないと思い、「話せるようになりたい」と言います。「話すのが上手い事」が、能力が高いと認識しているようです。私は、インプット(読む・聴く)と、アウトプット(話す・書く)に、違いや個性があって、良いと思っています。仕事をする上では、話すより聴く事の方が大切だったりしますし、書く事が得意なら、その能力を大いにコミュニケーションに役立てて欲しいと思います。大切なのは自分の得意なコミュニケーションスキルを知り、さらに磨く努力をすることで、成功体験を積み重ねることだと思います。

何かを生み出す事に、関心を向けて

 私は大学で、キャリア教育について学ぶ中で、各地が抱える過疎の問題にも触れる機会がありました。私たちも、教育関係者となった今、地域の発展を教育とどう絡めていくのか模索しています。ある農家の方が、自分たちが手間暇をかけて育てた野菜が、味は良いのに基準を満たさないという理由で認めて貰えないのは悲しいと話されていたのが心に残っています。私はその話を聞いて、「子育てに似ているな」と思いました。数値では計れない魅力が人にはあって、それを認め、励まし、将来のキャリアにつながるよう支援することが、私たちの役目だと思います
横須賀の子どもたちには、職業体験やキャリア教育プログラムで、地域の仕事について知る機会があります。横須賀は、「過ごしやすい、物価が安い、異国情緒にあふれている、海や山が近い」など、中にいると見慣れたものも、一度外から見ることによって違った魅力を発見出来るかも知れません。子どもたちには消費者のままではなく、何かを作り出す、「生産者」になる事に早く関心を向けて欲しいと思います。
 寄り道をしながらでも、憧れの職業や目標が見えたら、その道を知る身近な人に話を聴いて下さい。遠い憧れより情報も得られ易く、真似もしやすいです。横須賀の中学生たちが、自分で自分の道を選び、責任をもって歩めるよう、私たちも陰ながらサポートしていきます。

ページの上に戻る