よこすかキャリア教育推進事業
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仕事の中で「楽しい」を追究する

現在の会社に勤めていた友人から声をかけてもらったのがきっかけで、ITベンチャーへ転職したのは五年前でした。様々な情報を扱うITの仕事の中で、ソフトウェアが市場へ出る前の評価、検査業務が私の仕事です。
ハウスメーカーの営業、インテリア雑貨の販売店を経て、接客業ではなくなりましたが、どんな職場であっても変わらない「人とのコミュニケーション」は、私が特に大切にしたい部分です。
弊社には「仕事の中の〝楽しい〟を追究する」というミッションがあり、「いかに仕事の中での楽しさを見いだせるか」を話し合う、中学生のグループディスカッションのようなワークをします。そこで重要としているのは、「人と共に」ということです。楽をするのではなく、楽しく仕事をするという議論で、情報の共有・新たな発想による相乗効果を生み出す社内の要になっています。

職場体験と、将来の仕事のギャップ

弊社が受けたグループディスカッションに、MTTの一人として初めて参加させていただきました。
職場体験はそれぞれが「楽しかった」と嬉しそうに話すキラキラした子ども達の姿が好印象で、素直な感情を言葉にしてくれました。しかし、将来の仕事について聞いてみると、「仕事は辛いもの」だと思っていることに、職場体験の感想とのギャップを感じました。私の中学生時代は、仕事について深く考えることはありませんでしたが、身近な人に「働くことが辛い」というイメージを持っている人はいませんでした。私が話を聞く限りでは、自分達の頃とは時代背景が異なり、子ども達を取り巻く環境や情報過多が、影響しているのだと思います。
職場体験では、「楽しみ」をそれぞれ感じていたので、将来の仕事もやってみてから実感していくのだと思います。

何時間でも話していたい

グループディスカッションでは、思春期の複雑な思いや時間制限もあって、友達の前や初対面の大人に、気持ちを表しづらかったと思います。「どうせなれない」とか「馬鹿にされる」と諦めてしまっている。そういったところも理解して、ざっくばらんに話してあげたかった。やっと打ち解けてきた時に終わってしまったので、私としては何時間でも話していたい気持ちでした。
後日送られてきた感想文には、あまり発言しなかった子の「夢」や「やりたいこと」が書かれていました。用紙いっぱいの思いを読んで「いつか、一緒に働いてみたい」と、心を動かされました。「内に秘めた思い」があることを知り、大人はもっと子ども達の話を聞いてあげることだと思いました。そこでは、表現の工夫や伝え方が重要になってくると思います。MTTとしての自分達への今後の課題でもあると感じました。

自分がどうしたい、どうなりたいか

私が思うのは、仕事は誰かにやらされている訳ではないということです。自身で働くことを決めたのなら、どうしたら
楽しくなるか考えることは出来ます。中学生のみなさんにも、まずは自分がどうしたいのか、どうなりたいのかを考えて欲しいと思います。学んだ先に自分はどうしたいのかを突き詰めると、学びの中にも楽しみを見出せると思います。
私は高校時代、仲間とダンスの路上パフォーマンスに夢中になっていました。
何をするにしても、精一杯やる方が気持ちがいい、何にも変えられない達成感も感じられると思います。少し勇気がいると思いますが、前向きになることを恥ずかしがらず、表に出して欲しいです。
МTTを経験して、大人同士の会話からでは得られない新鮮な感覚や気づきを与えてもらいました。仕事に行き詰まった時は、あの日に会った子ども達のキラキラした笑顔、屈託のない姿を思いだし、純粋な気持ちで仕事に臨みたいと思えるようになりました。この体験で、最終的に、私が得たものの方がはるかに大きかったことは間違いありません。

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