よこすかキャリア教育推進事業
ホーム  >  よこすか働き人  >  貴田 真奈美さん
どんな髪型でもいいから

中学生の頃、美容室でずっとコンプレックスに思っていたクセのある髪に初めてストレートアイロンをしてもらいました。「すごい!」仕上がりに大満足し感激しました。「美容室へ行くと、いつも元気をもらえる」と感じ、見た目が変わると、自信が持てる気がしました。悩みを持った人も、理想に近づけてあげられるやりがいのある仕事。人をきれいにしてあげることが好きだった私は、気が付けば美容師を目指していました。
アシスタント時代、先輩スタイリストの常連さまから、「あなたにカットをして欲しい」との指名を受けました。カットは練習中だったのですが、「どんな髪型でもいいから」とおっしゃってくださり、先輩から指導を受けた後、切らせていただきました。ありがたいことで忘れられません。今でもそのお客さまを、担当させていただいています。
私たちがプロとして成長できるのも、お客さまの存在あってのことだと感謝しています。
サロンワークは、お客さまを近くに感じられる温かい仕事場です。

リアルな子どもの感性は衝撃的

昨年の夏のグループディスカッションで聞いた、子ども達の働くことへの思いは、「大変そう」や、男女共に経済面が心配で一番気にかけている様子でした。私の中ではまだ子どもだと思っていた中学生が、「お金」の心配をしていることが衝撃的で、リアルだなと感じました。職場体験前で仕事経験はまだなく、働くことについてはネガティブな思いばかりが目立っていましたが、やってみたいことはみんな持っていて、「夢」や「憧れ」の話をする時はみんな瞳をキラキラさせていました。普段はなりたい職業や夢について子ども達同士で話す事はないようで、初めて聞く友達の将来について新鮮な表情で聞いている子や、先生も初めて聞いた生徒の胸の内に驚いている様子でした。

私の夢の話に興味があるんだ!

子ども達から、「どうして美容師になったのですか?」と質問されて、私が話し始めると、今まで見せなかった真剣な表情で身を乗り出して聞いてくれていたのが印象に残っています。「私の夢の話に興味があるんだ!」と、その時、「大人が夢を持つことが大切だ」と弊社の社長が繰り返し私たちに言っている言葉が浮かびました。「社長の言葉は本当なんだ。」頭では理解していたつもりでしたが、人の夢の話でこんなにも子ども達が興味を示す姿に、「大人が夢を持って子どもに接する大切さ」を見せつけられた思いがしました。
「あきらめない」という選択
一生懸命だった私も行き詰まりから、「仕事を離れたい」という思いでいっぱいになったことがありました。
「今辞めてどうするの?」
私がスタイリストとして店に立つ日を待っているお客さまのことや、会社の気遣いも十分わかっていました。私の話を聞いてくれた社長から、「一週間、何も考えず、目の前の仕事をがむしゃらにやってみなさい」と言われ、「一週間なら」と言われた通り行動すると、お客さまの温かさやスタッフのありがたみが

身にしみてきたのです。

最後は自分を支えてくれた母の気持ちを知ったことが、一番の決め手になりました。「あと少しでスタイリストになれる。頑張ってみよう」と勇気を持てるようになり、前向きな気持ちを取り戻すことができました。
仕事で悩んだ私が、中学生の皆さんに伝えたいことは、「途中で諦めないでほしい」ということです。やれるだけやって、最後の最後、自分の決断に迷いがなければ、別の道に進むとしても、それは納得できる自身の選択になるのではないでしょうか。

ページの上に戻る