よこすかキャリア教育推進事業
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純粋に「きれいだ」と思う気持ちを忘れずにいようと思わせてくれた

実家の花屋の仕事をするようになって4年目です。主に仕入れや配達で外に出ていることが多いのですが、昨年度からMTTとして時間の許す限り、ポスターセッションやグループディスカッションに参加しています。最初は子ども達の前で教えることに少し抵抗がありましたが、一度やってみるとどんどん楽しくなっている自分を発見しました。町の先生という役割ですが、一緒に楽しみながら僕も勉強させてもらっています。
仕事で花を扱っている僕らと違い、花を見る目が素直でまっすぐな子ども達を見た時、僕が花屋の仕事に就いた頃と同じ目線だったことを思い出しました。
「この花きれいだな」「この花を置いたらいいな」「若い人はこんな花がいいな」と最初に自分が花を見て純粋に「きれいだ」と感じた気持ちを「忘れずにいよう」と思わせてくれます。子ども達とのかかわりに毎回ワクワクしています。
花は、なくては生きていけない程のものではありませんが、いろいろな場面の演出には欠かせないものでもあります。その花の持っている魅力を自分も感じることは多いので、この仕事の素晴らしさを伝えていけたらと思っています。

悩んでいても始まらない

職場体験の話を子ども達から聞いていると、事業者の人とのコミュニケーションについて悩んでいる子が多かったですね。悩みは悩んでいるだけでは解決しない。同じような経験があるので理解できますが、「思い切って意識せずに話しかけてみた方が前に進めると思うよ」とアドバイスしました。話せない理由が「話しかけにくいとか、怖そうだな」と、勝手に判断しているようです。相手のことを考え過ぎず、今の自分らしさを素直に出して話しかけてみる、「当たって砕けろ」の精神も必要だと思います。
僕も考え方を変え、少し勇気を持ったことで、乗り越えることができましたから、子ども達の悩み解消のヒントになればと思います。
花屋でも職場体験の受け入れをしているので、いろいろな子どもを見て感じることはあります。うちではどんどん仕事を与えていますが、意欲的な子もいれば、そうじゃない子もいる。イヤイヤ仕事をしているのも伝わってきますし、花屋の仕事は決して楽じゃないから、後の感想文で「辛い」「やりたくない」などと書かれることもあります。でも、僕はむしろ意欲的じゃない子にとって良い経験だと思います。自分には合ってないところや、嫌だと思うところから自分を知るという経験になると思うんです。それは大事なことで、僕はそれでいいと思っています。

恩師の「雑草魂を持て」の言葉と物事を前向きに捉えること

「今の子ども達は夢を持っていない子が多い...」なんて、よく耳にしますが、僕も中学生の頃は特に夢はなかったし、思い当たる職業は身近でテレビで見て知っている範囲の仕事ぐらいしかわからなかった。今の子ども達と変わらないと思います。
中には具体的な夢を持っていて、そのために努力をしているしっかりした子もいます。目標を持って勉強をしている子は「えらいな」と思います。勉強を習慣化するくせを身につけることが大切なんですよね。
僕は子どもの頃から大学まで、ずっと野球をやっていました。高校の野球部の監督が僕らに「雑草魂を持て!何を言われても大丈夫な強い心を持ちなさい」と言ってくれた言葉が忘れられず、今でも思い出すことがあります。
勉強も大事だと思いますが、それを活かして仕事についても、社会の状況が変わり、身の振り方を改めなければならな
いこともたくさんあります。今は柔軟性をすごく求められるし、それに対応できる能力も持ってほしいと思います。
「これが良い」なんて言えない時代です。物事を前向きに捉えることも大切なんだと考えされられます。
そんな時に、「雑草魂」の言葉が生きてくる。明るく前向きに生きている人は人生も明るいと僕は個人的にですが思っています。

仕事にも繋がった出逢いに感謝

たびたび学校に行く機会が増えて、たまたまMTTとして参加していた中学校の同級生と、卒業式以来の再会が懐かしかったです。他の業種の人とも知り合いになれたり、自分と仕事を知ってもらう機会も増えました。ポスターセッションで行った学校や他のMTTからも、気軽に花を注文してもらえるようになりました。最初は、「何をやっているのかな?」と不安げだった両親も、子ども達の感想文やプログラムで僕達がやっていることがわかってくると、「いいことだね」と理解を示してくれています。
MTTとして人の役に立て、プログラムへ参加したことから仕事にも繋がったことを実感できました。その出逢いに感謝しています。

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