よこすかキャリア教育推進事業
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好きだから長くやっていられるんだろうね

ドライバー歴は三十年を越え、もう定年を過ぎる年だけど、定年前と変わらぬ待遇で働く事ができる。好きな仕事が続けられることは嬉しいし、ありがたいですね。
以前勤めていた会社が倒産し、「どうしよう」という時に、今の社長から、「うちへ来てくれよ」と誘ってもらって十三年目になりました。
荷物の大小にかかわらず、預かった荷物を安全に届けるのが僕の使命だけど、無事に届け終え、「お疲れ様でした」と笑顔で言ってもらえた時は、こちらも自然と力が入り、「ありがとうございました」と素直に頭が下がります。「この仕事をやってて良かったな」と思う瞬間。
働く活力になります。
今まで、自分の仕事を「辛い」なんて思っことはないですね。守るものがあるし、「この仕事で、家族を養う」という責任と誇り。それと、何より自分が好きな仕事だから、長くやっていられるんだろうと思うね。

今はケーキ屋さんの事をパティシエって呼ぶんだね

子ども達と話していたら、将来の仕事はパティシエになりたいって子がいた。「パティシエって何?」と思ったら、ケーキ屋さんのことなんだね。
職場体験先のケーキ屋さんで生クリームの作り方を教わったけど、硬かったり、軟らかすぎたり思うように作れなくて、家へ帰って再度挑戦するほどはまってしまったらしい。
僕の孫ぐらいの世代の子ども達に会って話していると、夢を持っている子はあまりいないように思った。昔の自分達より積極的な子は少ないし、冒険心も感じられないように思います。「時代のせいだ」って言ってしまうのは簡単だけど、世の中に物がありすぎて、簡単に手に入ってしまうから、「自分で考えて動く」という場面が少なくなってしまった。 社会が便利になったからといって、与えすぎるっていうのは「子どもの教育」には良くないんだとしみじみ思います。
ケーキ屋さんへ職場体験に行った彼女のように、自分で苦労した事は、良い経験になるんだと思う。そういう経験をいろんな事に生かして欲しいですね。

でっかい夢を持ってもらいたい

カッコいい人に憧れていた僕らの時代の夢は、分かりやすかった。僕はパイロットになりたかったけど、現実を知ったら、夢なんて簡単に破れちゃったね。結局、車の操縦士になったけど、カッコいい大人になりたいのは間違いなかった。
とにかく子どもの頃には、「でっかい夢」を持って欲しいな。大人たちにも、子どもが本来持っている発想力や創造力を引き出す教育をして欲しいと思います。
今は「夢」を持ちにくい世の中だから、子ども達が本当にやりたいことをテーマに話しをさせて、実際にやらせてあげる。「自分がやりたい事」つまりそれが「夢」なんだと思う。その目標はどうしたら叶えられるのか、考えさせ、実行させて欲しい。

何でもいいから好きなことを見つけて欲しい

僕は田舎育ちだから、地元で仕事がない時期は両親が出稼ぎで、僕ら兄妹3人を育ててくれました。その間、親代わりは近所にたくさんいて、昔は地域のみんなで、子どもを育ててくれたもんです。自分達も、お金のありがたみは解っていたから、親が稼いでくれた大切なお金を、工夫して使っていました。
昔は「働く」ってことがもう少し身近だった。親を手伝うのは当たり前だし、親の働く姿を見て、自然と仕事を覚えていけた。「生きる」ってことを教わることができたんだよね。今は、仕事を自然に覚える機会が少ないんだな。親の働く姿を見る場面がないんだもんね。
だから、子ども達には、何でもいいから、「好きなこと」を見つけて欲しい。好きなことなら、上手くなろうとがんばれるだろうし、向上心が人を成長させる。
仕事も同じ。向上心はあって初めてお客様に納得してもらえる仕事が出来る。
失敗したって、何度でも挑戦してみたらいい。いくらだってやり直しがきく。若いんだから。

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