よこすかキャリア教育推進事業
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何にでも挑戦していける子ども達に進路のヒントになれば
 弊社の朝は、社員総出の清掃からスタートします。順番制で上司も部下もなく、トイレも近隣の道路も清掃範囲です。 前職は食品の輸入商社の営業で、全く違う業界への転職ですが、今の仕事にやりがいを感じています。私がMTTとしてグループディスカッションに参加したのは、入社して3年目のことでした。 「これから何にでも挑戦していける子ども達なんだな。もし、自分の頃にこんな取り組みがあったら、どんなだったろう?」と思いながら、かつて自分も通ってきた中学生を前に少し構えていました。 グループディスカッションでは、「働くこと」の話ももちろんですが、自分の学生時代の話や、どのように歩んできたかといった個人的な事にも多く触れました。時には仕事の話に興味がなく、雑談や怖い話をせがまれ困った事もありましたが、「それは、彼らにとって今はまだその時ではないのだろう。近い将来、彼らに選択の時が来た時、今日の取り組みを思い出し進路のヒントにしてくれればいいのかな。」と子どもらしい一面に触れ、そう感じました。
フリーターを選択
子どもの頃の私は、学校から帰るとカバンを置いて直ぐに外に遊びに行く、典型的なわんぱくタイプでした。そのせいかどうかはわかりませんが、父から、「勉強しなさい」と言われたことは全くありませんでした。小・中学生では一通りスポーツを経験し、高校時代はバンドでドラムに夢中になり、勉強以外の事は熱心にこなす子どもでした。それなので、進路についても明確な考えはなく、高校卒業の時期を迎えていました。形としての進路に納得がいかなかった自分が選択したのは、フリーターでした。
「やるからには絶対に受かれ!」
フリーターを一年過ぎた頃、浪人生だった友人が大学へ進み、気が付くとみんな前へと進んでいました。私は、自分が取り残された気持ちになり、生まれて初めて、焦りの感情が湧いてきました。「僕は、一体何をしているのだろう?」すかさず、バイト先の先輩や父親に相談しました。何をどうしたらいいか解らない自分に父は、「何も決まっていないなら、大学に行きなさい。大学は4年間の時間がある。いろんな人が通っていて、たくさんの出逢いもあるだろう。その中で、自分の道を見つければいい。」
そこから私の大学受験への新たな挑戦が始まりました。まともに勉強してこなかった自分は中学校の勉強から再スタート。図書館や公民館で一日十時間以上勉強し、予備校にも通わせてもらいました。「やるからには絶対に受かれ!」全力で力を貸してくれた父の援助に本気で、「やらなきゃな。」と思った瞬間でした。父の励ましは、今でも心に残っています。一年間の努力の結果、第二希望に合格することができました。
お母さんを助けてあげたい
子ども達は、純粋そのものです。将来の夢についても、女の子はお花屋さんやケーキ屋さん、男の子はスポーツ選手など、職業を意識している子がほとんどです。私も小学生の頃、スポーツ選手に憧れていた懐かしい思い出があります。
子ども達には今、自分が夢中になっている事があれば、とことん真剣に取り組んで欲しいと話ました。そこから、本当に夢を掴んでくれたらこんなに素晴らしい事はありません。さらに言うと、そうなった彼らに再会できたらもっと嬉しいと思いました。
たくさん夢を聞いた中で、「環境が個人の夢を左右する場合もある」と考えさせられる事がありました。ある少女は、母親が一人で彼女たち姉妹を育ててくれている苦労をわかっていて、「母を助けて、妹の面倒も私が見たい。」と語ったのです。そして彼女自身が何になりたいと願うより、家族を支えることが夢になっている事に感心し、驚かされました。同じ世代の頃の私には想像がつかなかったし、自分が経験のない思いをしている現実に、改めて自分の境遇や親のありがたみに気づかされる瞬間でした。
仕事が大好きです
建設業ではお決まりだった、3K(キツイ・汚い・危険)を弊社では、きっちりと清潔な現場を心がけ、安心して仕事を任せて頂けるよう努力を続け、逆3K(キレイ・快適・健康)を実現しました。みんなで良くなっていこうという経営方針の元、社員それぞれが職務に合った資格に挑戦させてもらえます。そのお手伝いを含め、社員をバックアップする大切な現在の仕事に、堂々と「仕事が大好きです。」と言える自分をあらためて実感しています。
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