野比中では総合的な学習の時間で、3年間を通した大テーマを「幸せな生き方を考える」に定め、2年次に『働くとは?』をテーマにじっくりとキャリア教育に取り組んでいます。
将来なりたいものを無理やり探すのではなく、まずは世の中にどんな職業や生き方があるのかを知ることで、生徒たちの関心を社会に向け、視野を広げる事を重視。
やってみたい、知りたい、なんとなく・・など、様々な縁からキャリア教育を通して知ることになった職業や大人たちとの出会いが、新鮮で、面白くて、子ども達にも先生方にも刺激になった有意義な一年となりました。
・「仕事に関する本」を300冊用意(市内図書館にも協力をお願いしました)
・ネット情報ではなく、あえて本をじっくりと読む時間をつくりました。
・本の選択は、将来の夢にしばられず「知りたい」「やってみたい」「読んでみたい」で選ぶように伝えました。
・はじめての地域訪問で社会人と接する準備として、マナー講習を依頼しました。
・事前にマナーを知ったことで、安心から生徒たちの気持ちがポジティブになりました。
・4事業所をクラスごとに巡回訪問。(実際の職場の見学や仕事についての講演)
・事業所の方々には生徒の積極的な質問に丁寧にご対応いただき、考えが深まる機会になりました。
・生徒自己開拓の職場体験探し
・生徒自らが選んだ体験先に、教師とともに電話をかけて受け入れを依頼しました。
・様々な事情で断られたりしながらも、根気強く生徒が選ぶ体験先に当たり、全員の体験先を確保しました。
・MTTの人選は「生徒たちの知らない職業」をリクエストしました。
・業種を指定しなかったことで思わぬ出会いが生まれ「知らないことを知る」時間となりました。
・MTTの話を伺うことで"働くこと"へのイメージが具体的になり、職場体験に向けて生徒たちの気持ちが前向きになりました
・自己開拓した体験先に訪問しました。
・生徒たちは"働くこと"にまつわるいろいろな側面を素直に感じ取ってくれました。
・一年間を通して学んだ"働くこと"について個々にまとめ発表しました。
・発表後の生徒同士の意見交換やMTTからの講評により、今が未来につながっていることを実感できたようで、学校生活に対する生徒たちの主体性が高まったように感じられました。
2月から準備をはじめたという先生方の計画通り、オリエンテーションからマナー講習・YRP見学・ポスターセッション・職場体験・ディスカッションまで、「働くとは?」を一貫したテーマに社会(人)との出会いを生かしたキャリア教育が見事でした。
特に自己開拓での職場体験。準備段階で教師とともに受け入れ交渉の電話がけを行っており、生徒の意識も高まり、先生のサポートを直に感じる良い機会にもなったことと思います。
いろいろな大人の話を聞き、体験し、自分の考えを発表し、1年を通して社会人と接しながら、自分たちなりの「働く意義」をつかんだ生徒たち。最後の感想がどの子も長文だったことからも生徒たちの成長と達成感が伝わってきました。
2023年度(2024年3月10日発行)『たねまる通信7号』に掲載